高速ファイル転送サービス ― SIGNIANT Media Shuttle
取材・ロケなどの撮影現場のテープレス化はほぼ完了していると思われます。ちなみに筆者はテープ運用が悪だとは決して思っていません。デジタルとアナログ、どっちがきれい?という問いにもアナログ!って即答してしまうタイプなので。。
なぜファイルベースが良いか?という質問には、安いからと答えます。そう、未だにテープを使用している=予算がある、ってことだと思います。
それはさておき、、撮影で収録したファイルを局や編集スタジオなどに持ち込む場合にはどのようにされてますか?
時間がある場合には何でもいいのですが、微妙に時間がない、もしくは場所が遠い場合にはファイルをインターネットで転送したいものです。
収録時間が短いものであれば、フリーの転送サービスを使っちゃおう、という気にもなります。しかし実際には30Mbps以上で収録することが多いと思われ、1ファイル数十~数百GB程度な大きさにはなってしまいます。
そうなると有料ってことになりますが、それでも大容量で高速ってなるとなかなか見つかりません。
となると思い切ってシステム導入、ってことで真っ先に思い出せるのは、SigniantやAsperaってことになります。ただインターネットを使用したシステムとなると、お金よりもセキュリティやらコンプライアンスやらで決裁がなかなかおりないってことにもなりかねません。
もうちょっと気軽に出来ないかな、、と思っていたらSigniantが月額サービスを始めていました。
お試しができるので、今回はそのリポートになります。
まずサイトに行くと、Try Media Shuttle for Freeの文字があり、その横のSEND A HUGE FILE NOW ! をクリックします。
そうすると、名前やら会社名などを聞かれるので、一通り入力すると、ブラウザにプラグインを入れてもいいかって聞かれるので入れちゃいます。
しばらくすると↓が立ち上がります。
送りたい先のメールアドレスを入れ、送るファイルをドラッグ&ドロップしてTransferを押すだけのようです。
下に何やら英語が書いていますが、”これはトライアルでファイルサイズは22GByteまでで、2日間までの保存”だそうです。
ひとまず手元に1.1GByteのMP4があったのでこれで試します。
結果としては、インターネット回線帯域を9割近く使ってアップロードもダウンロードもできました。(ダウンロードするPCにもブラウザプラグインが必要です。)
筆者はごく普通のフレッツを使っていますので、MAXが100Mbps以内となります。(なので、ファイル転送で100Mbps以上のスピードは間違っても出ません。)
使用したPCのネットワーク使用率は転送中安定して9%前後を示しました。NICは1G、ネットワーク環境も1Gなので、およそ90Mbps前後出てたことになります。
当たり前ですが、使用するインターネット回線スピード次第ってことになります。が、巷にある無料転送サービスの3倍~4倍のスピードが出るといった印象です。
今回のお試しファイル転送はあくまでもトライアルとして用意されているもので、そのまま有料サービス加入への誘導みたいなものがありません。
有料サービスへの加入は直接連絡するしかないようです。日本には代理店もありますのでそちらを利用することもできそうです。また実際の課金サービスにはもっと設定できるブラウザアプリが使用できるようです。
月額$49のサービス、安いか高いかは利用者環境次第、と言えますね。
何れにせよ、大勢人がいる会社で試す場合はお気を付けください。インターネットのリソースをほぼ使ってしまうので、ネットが見れない!などと騒がれて怒られてしまわないように。。
余談ですが、AsperaがIBMに買収されたようで、ファイル転送サービスも今後注目度高いかもしれません。
先の記事で保存容量無制限のクラウドサービス、Google Drive for Workを紹介しましたが、高速ファイル転送が組み合わさったら、、無敵なサービスが出来上がります。