4K時代のSDカード 「SanDisk Extreme PRO SDHC/SDXC UHS-I Card 512GB」
SanDiskがIBC2014で発表した、512GBのSDメモリーカード。
一般的には「誰が使うの?」って思われることでしょう。。まさに映像向け、といった製品です。
10年前は512MBだったSDカードが、その1,000倍の512GBになるとは、、この小さいボディで可能になるなんて驚愕します。
多くのメモリーカード規格が群雄割拠していた中、勝ち残り、栄華を極めたその雄姿、、正に『Extreme Professional』 です。
デジタルカメラの進化が、その後押しをしたことは言うまでもありませんが、その過程で常に進化し続けたことが勝敗の分け目であったと感じます。
SD(最大2GB/FAT16/)
⇒ SDHC(最大32GB/FAT32/)
⇒ SDXC(最大2TB/exFAT)
ファイルシステム対応を続け、最大容量を上げることで、下位互換を捨て上位互換性のみの割り切り戦略が、デジタルカメラの買い替えが速いこととマッチしたのだと思います。
SDXC規格で最大容量は2TB。もうSSD容量とどっこいどっこいです。
転送スピードについて
ただ、、、良い面ばかりではありません。SDカードを購入するときにいつも困るのが、ClassやらUマークなどの表記の意味。
良かれと思う品質表示が、ユーザーを惑わすものになってる気がします。購入するときって容量くらいしか気にしたくないですものね。
それは上位互換のみで突っ走ることが所以なので仕方がないこととはわかっていますが。。
そこでます、シンプルに規格を理解したいと思います。
まず、このExtreme ProのようにSDHC/SDXC互換カードでのスピード規格を前提とします。
CLASS
最低速度を保証するのがCLASS表記です。これらはSDHCでもSDXCでも共通で使われます。
CLASS10で10MB/sなので、単純に8を掛けると80Mbps。HD撮影時にはCLASS10を用意したい感じになります。
ここで気を付けなければならないのが、使用する機器がSDHC/SDXCに対応していることです。
現行モデルだったらほぼ問題ないでしょうが、昔に購入された機器は気を付けないといけません。
UHS
こちらはSDHC/SDXCカードの物理的インターフェイス規格であり、UHS-IとUHS-IIがあります。HDDやSSDのSATA規格と似た分野になります。
転送速度を向上させるための物理的インターフェースのため、使用する機器が対応している必要があります。
使用する機器がUHSに対応していなければ、先ほどのCLASS表記が転送速度保障範囲になります。
ただ、上の写真のようにUHS-ⅡのカードにはCLASS表記が無くなっています。
UHS未対応機器とUHS-I対応機器にとってUHS-II対応カードは、使えるとは思いますが高価ですし購入は控えたほうが良さそうです。
UHS-Iの最大転送速度は104MB/s、UHS-IIの最大転送速度は312MB/sになります。
UHSスピードクラス
UHSインターフェース対応機器で使用する際の最低速度を保証するのが、UHSスピードクラス表記です。
UHSスピードクラスは1、2、3とありますが、現行で使用されるのは1か3が多いようです。
この表記はUHS-I、UHS-IIでも同様に使用されます。UHSスピードクラス1はCLASS10と同等で、80Mbpsになります。
4K撮影をするときには扱うカメラにもよりますが、H.264/MP4ですと100Mbpsあたりが多いので、UHSスピードクラス3を選択することが無難と言えそうです。
そして実際の製品仕様はこの表記通りではなく、数字が高くなる場合がほとんどです。
繰り返しになりますが、最低速度を保障するものとしての“品質マーク”ですので、実際の仕様ではないことを頭に入れておかねばなりません。
今回のExtreme Pro 512GBの仕様はRead 95MB/s、Write 90MB/sを謳っているので、製品には“95MB/s”の文字が記載されています。
まとめ
この小ささでこの容量、そして高転送スピードを兼ね備えるとなると、デジカメの中だけで利用するのはもったいない気がしてます。
現在HDDやSSDのインターフェースはSATA3で、実効転送スピードは600MB/sとなり、UHS-IIの最大転送速度を上回ります。
しかし、アーカイブをするといったときに、HDDやSSDに比べてはるかに保存スペース効率が良く、取扱いが気軽です。
放送局レベルでテープで保管しているスペースを考えたら、1フロア分が1キャビネットで済んでしまいます。
今回のExtreme Pro 512GBの価格は8万円前後なのでまだまだお高い印象ですが、SDメモリーカードアーカイブの時代が来る、、、と思わせてくれる製品でした!