保存容量無制限クラウドストレージ – Google Drive for Work
先日GoogleがGoogle I/Oで発表したクラウドサービス、Google Drive for Workですが、月額1,200円で保存容量無制限で使用できます。
筆者にはかなり衝撃的なニュースだったのですが、一般的には”ほ~”と思うくらいかもしれません。もちろん会社でITを担当している方であれば、あれこれ思うところあるはあるでしょう。
しかし、保存容量が無制限であることが素晴らしい!思えるは、やはり映像クリエイティブ業界ではないでしょうか。
自社内でNASを使って編集作業をされることがあっても、いつも容量不足で素材の整理に追われるシーンが思い浮かびます。
すでにクラウドサービスを利用してファイル共有をしている方々もいらっしゃると思います。例えばAdobeのCreative Cloudを導入したらファイル共有が付いてたから使ってみた、的なこともあるかもしれません。
番組を制作する上で、CGや音効など制作会社が複数に分かれている場合でのファイルやり取りには非常に便利です。
巷では、無料で使えるクラウドファイルストレージサービスは結構あります。MicrosoftのOneDrive、Google Drive、iCloud、Amazon Cloud Dive、Dropbox、最近日本向けににローカライズされたBox、などなど。
その容量は数GBから数十GBといったところです。もちろん無料なので十分すぎるくらいなサービスです。
それぞれ有料プランがあり、数百GB~数十TBになるのですが、そんな中での“無制限”を打ち出せるのはさすがGoogleです。
実際には、企業がクラウドサービスを選ぶ基準はいろいろあると思うので(セキュリティや管理のし易さとか)、素直に“無制限が最高!”、となるかはわかりません。
がしかし、放送局はどうでしょうか。
現状、番組制作自体は様々な手法でファイルベースで行えたとしても、完パケした番組納品のテープレス化が日本で完了したとは思えません。
ただ、少なからず放送自体はビデオサーバーからの送出にはなっていると思います。せっかくテープからエンコードしたファイルなのでそのままアーカイブしたいところですが、ファイルをどういう形で保存していくのが良いかが確立されてない気がします。
データセンター並にラックを抱え込める大きな放送局はどんどんサーバーを追加していくことが可能かもしれませんが、災害時対策やBCP(事業継続計画)といった場面では完全ではありません。
LTOやHDDをそのまま保存するというやり方もありますが、ファイルをすぐ取り出せる状況にはならないですし、バックアップとして2つ用意するのも野暮な話です。
そこで考えられるのはクラウドの利用です。
今年のNAB2014でも4K、Video over IPに続いてクラウドサービスの提案が多くありました。それらはMAMと言われるコンテンツ管理ソリューションをセットにした提案で、クラウド上でタグ付けや進捗管理、プレビューや編集もしちゃおうというものでした。
ただMAMというのは曲者で、いったん導入すると離れにくいものでもあります。それに現実的には日本には営放システムといった独特な管理もあるので、インターフェースを考えるとちょっと足踏みしてしまいます。
今回のGoogle Drive for Workも実際に営放システムと連動なんてことを考えたら無理な話ですが、割り切ってBCP対策としてのバックアップと考えたら検討できるのではないでしょうか。
なんといっても使い方は簡単、ローカルの指定フォルダと自動同期してくれので、ほったらかししておけばいいのですから。。
番組ファイルの拡張子がmp4ってことにはならないかもしれませんが、、、WEBアプリ上でのビデオ再生もできます。ほとんどYoutubeのようなプレーヤーが立ち上がります。
ちなみに容量無制限になるのは5ユーザー以上からです。なので放送準備スタッフにはもれなくGoogleアカウントがついてくる、なんてな使い方も悪くないかもしれませんよ。。