4K放送用モニタリング
来月よりブラジルワールドカップが始まります。
それに合わせて4Kの試験放送が開始され、もしかしたら日本戦が見られるかもしれません。(AV watch記事)
4K撮影は映画やCM現場では進んでると思うのですが、放送に関してはまだまだ感が否めません。
放送現場でもワクワク感というより、やっとHD対応が終わったところなのに、、、と正直思いますよね。
4kが必要か、必要ないか、という議論自体あると思いますが、ここはひとまず少しずつ理解する姿勢でいたいと思います。
そこで、今回は4kモニタリングについて考えたいと思います。
SDからHDの時にはまず画角が変わりました。今回は変わらず16:9でしょ、と素直に思いたいですが、理解しなくてはならないことがあります。
映画(デジタルシネマ)で使われる画角は1.9:1です。のっけから嫌な気分になります。。
整理しますと、
名称 | 解像度 | 画角 | 画素数 | |
放送 | UHD,QFHD | 3840×2160 | 16:9 | 8,294,400 |
映画 | DCI | 4096×2160 | 1.9:1 | 8,847,360 |
4Kの規格は大きく分けて2つあります。
UHD(UltaraHD)もしくはQFHDと呼ばれるものと、DCIです。
放送はUHDになるので、16:9ですね。2160/60pって感じで呼ぶことになるのでしょうか。iを考えなくてよくなってるし、ちょっと安心します。
映画素材を扱うときには少し注意が必要ですが、解っていれば今までと同じ要領な対応できる気もします。
では4Kモニタリング、まずは放送用モニターです。SDIモニターと呼ばれるものですね。
そもそも4K映像をどうやって出力するの?って思ってましたが単純にSDI x4本です。
4Kタイミングで革新的な放送用インターフェース(光ベースの)が出るものと予想してましたが外れてしまいました。。
今回参考にするのはSony PVM-X300にします。
・SDI入力数 x4 / HDMI入力数 x4
UHD(3840×2160) | DCI(4096×2160) | |
3G/HD-SDI x4本 | 24, 25, 30, 50, 60p | 24, 25, 30, 50, 60p |
3G-SDI x2本 | 24, 25, 30p | 24, 25, 30p |
HDMI x1本 | 24, 25, 30p | 24, 25, 30p |
仕様にはHDMI x4本の場合の対応は明確にはされてません。またDisplayPortの2入力は将来拡張用のようです。(2014年5月現在)
もう一点注目は、CineAltaとはHDMI 1本で接続できるとのこと。
※以下抜粋↓
CineAlta 4Kカメラ PMW-F55との独自接続
収録現場において、新発売のCineAlta 4Kカメラ PMW-F55による4096×2160/60Pの信号をHDMI1本で表示する独自機能を搭載しています。
Sonyの独自機能というのが気になります、、
昨年出たFDR-AX1の特徴にも似たようなことが記載されています。
※以下抜粋↓
4K対応テレビにHDMIケーブル1本の接続で4K映像を視聴
HDMIケーブル(同梱)を1本使用することで、楽しむことができます。映像出力は4K/30p、24pに対応しています。
さらに、4K対応〈ブラビア〉との組み合わせでは、独自方式により4K/60pで撮影された映像の再生もHDMIケーブル1本で可能です。
どうやらHDMIはver1.4から4k解像度に対応してますが30Hzまでのようです。60pがOKなのはver2.0からです。
HDMI 1.4 | 2160/30pまで(最大オーディオch数 8) |
HDMI 2.0 | 2160/60pまで(最大オーディオch数 32) |
…ということはHDMI 2.0製品が出てくるまでは、
2160/60pは、SDI x4本 もしくは HDMI x4本で見る。
2160/30pは、HDMI x1本で見れる、
ですね。
さてここからが課題です。実際PVM-X300をたくさん用意できるかというと、まず無理です。そんな予算ありません!
ではどうするかっていうと、HDの時と同じです。一世風靡したSDI to HDMIコンバーター。
Amazonで1万円以下で手に入るアレです。
今まで、KONAとかDecklinkから同軸延ばしてPCモニタ直前にSDI to HDMIコンバーターをかましてPCモニタで見るってことやってきました。
サブやマスターからのスイッチャー/ルータ出力も同様でしたよね。
では4k対応のPCモニタは、、、あります。例えば、DELL UP2414Q。最大解像度はUHD(3840×2160)です。
ですが、HDMI入力仕様は30hzまで(おそらくver 1.4ってことでしょう)で1入力のみ。
この際、2160/30pでもいい!(2160/60pと2160/30pの違い、正直わかる自信がありませんし、)
と思ったところでSDI4本を1本ずつSDI to HDMIコンバータしても、HDMIを4本を1本に束ね、かつ2160/30pにしないといけません。
ん~と思っていたらありました。計測技研 4kコンバーターQuad MC とAJA Hi5-4K です。
今回はQuad MCを見てみます。ラインアップは4つです。(アップコンは除く)
QMC-44HS-PRO | HDMI 4ch → SDI 4ch |
QMC-44SH-PRO | SDI 4ch → HDMI 4ch |
QMC-42SH-PRO | SDI 4ch → HDMI 2ch |
QMC-41HH-PRO | HDMI 4ch → HDMI 1ch |
ん?SDI 4ch → HDMI 1chは無いのか?と思ったら、QMC-42SH-PROがそうでした。
QMC-42SH-PRO仕様
SDI x4 to HDMI x1 | UHD/30p もしくは DCI/24p |
SDI x4 to HDMI x2 | UHD/60P |
SDI x4 to HDMI x2というのは、1本のHDMIに1920×2160(UHDの半分ずつ)を出力し、2面タイル表示に対応するモニタでUHD/60pを見ることを可能にするモードのようです。
なるほど~と思いつつ、とりあえずこのQMC-42SH-PROとDELL UP2414Qで2160/30pが見れそうです。
4k映像の内容がとりあえず見たい、ということであればAJA 4K2HDでダウンコンしてHD解像度のPCモニタで見ましょう。
期待のBlackmagicの4Kコンバータは、独走中の6G-SDI製品なので、しばらくAJA製品が重宝しそうですね。