MPEGストリームモニター – Wohler MPEG Series
ラックマウントタイプのオーディオ/ビデオモニターを多数輩出しているWohlerの、かなり画期的なモニターを紹介します。
Wohler MPEG Series
こちら何が画期的かというと、ASIモニタリングだけでなく、Ethernetネットワーク経由でMPEG2やH.264のストリームをモニターできてしうまうのがスゴイところです。
実際にそういった需要が多いかどうかはさておき、これはファイルベースどころの話ではないと感じるのです。
ファイルベースはテープレスと同義語で捉えることが多いですが、このモニターの存在はストリームベースまたはビデオケーブルレスといった未来を予感させる製品です。
例えばVLCプレーヤーでビデオファイルをストリーム再生し、ネットワーク上の他のVLCプレーヤーでそのストリームを見る、なんてなことをやると実感できます。
このMPEG SeriesのMPEG-2443は2RUで4画面を持ちますが、LANケーブル1本でネットワーク上の4つのストリームを再生することができます。
現在撮影現場はほぼファイルベース運用に移行され、RAW撮影やProRes収録があるにせよ、最終的にはMPEG圧縮されることが多いでしょう。中継映像回線も圧縮抜きでは語れません。
ビデオルーターやスイッチャ―もVideo over IPの波でストリーム入出力ができるようになるはずです。
そもそも放送送出マスターの最終端も、そのほとんどはDVB/ASIのMPEG2やH.264です。
…であれば、わざわざビデオケーブルでビデオ出力する必要性が感じられなくなります。
もしFinal Cut や Premiere の再生がストリーム出力されたらどうでしょう。編集マンの横にはSDIモニターではなく、このMPEG Seriesのようなモニターがあれば、ネットワーク上のありとあらゆるストリームソースをLANケーブル1本でモニタリングできます。そしてスタジオサブのビデオスイッチャーがストリーム入力に対応していれば、編集したてのストリームをソースにすることも可能になります。
…無理無理!って分かります、最大の課題は遅延です。でも逆にビデオケーブル運用の必要性は遅延だけなんじゃないかとも思います。
それに現実的には10GEがスタンダード化されでもしない限り、運用制限が山のように出てきて使い物になりません。現状は、、10GEはオフィスIT系では一向に進む気配はなく、使用用途はデータセンターくらい。
ん~まとめきれませんが、ただ言えるのは4K、8Kをやる時、ネットワークをどう活用するかがシステム構築の最重要検討課題になることは間違いないと思います。
そのためにはこのMPEG Seriesのような考え方の製品がたくさん出て欲しいと思う次第です。