IBC2015のSony IP Live Production System
Video over IP、既に言葉にすると平凡に聞こえますが、放送局内の基幹システムへの導入はまだまだこれからだと思われます。
放送システムのIP化は、今年IBC2015でも、Sonyが提唱するNMI(Networked Media Interface)を利用したIP Live Production Systemがやはり注目です。
IBC 2015 – Unified IP network infrastructure for the future of Live Production
昨年のIBC2014で発表されたときには10社だった賛同会社(関連記事)が36社になりました。
錚々たるメーカーが見受けられる中、ひときわ気になるのがAudinate社。
Audionate社はDanteを開発したメーカーですので、映像・音声を一括でIP管理できるようになれば嬉しくなります。
SonyはIP Live ProductionのWEBページも設けられています。
Sony IP LIVE PRODUCTION
IP化の利便性を謳うプレゼン動画です。中でも気になったのが、
通常、ビデオルーターを完全に2重化することはほとんど無いと思われます。なので大抵はルーター入出力前段にビデオパッチを設けて、ルーターが壊れたらパッチケーブルを挿しまくる….などという原始的な対応になります。
方やIP化にすれば、IPスイッチを2重化して障害時にも信号断が無いとされています。
ただ、、図ではうまいことデバイスから2つのIPスイッチに接続されていますが、デバイス側にネットワークポートが2つあって2本のケーブルで現用予備2台のIPスイッチに接続されるのか、はたまたIPリダンダント機器みたいなものが備わるのか、は定かではありません。
とはいえ、こういった部分は無用な詮索だとも思っています…Ciscoが賛同されてますので。
なので実際には信号の遅延やシームレスなスイッチングができるか、あと各接続デバイスがストリーミングサーバーになり得るので、帯域の確保なども気になります。
社内中のパソコンで本線映像を見てたら、ビデオサーバーが落ちた、、、なんていうオチは悲惨ですが、マスターも映像監視だけではなくネットワークトラフィックを監視することになる気もします。
またIP化をフルに活用とするならばインターネットに接続する必要がありますが、本線はクローズドでセキュアなネットワークにもしたいです。このあたりはJuniperが賛同されていますので..。
いろいろ考えてしまうと、ベースバンドのメリットがチラチラしますし、本当にコスト削減になるの…?という声も聞こえてきそうです。
いかに魅力あるソリューションとしてIP化を表現できるかが、一番の課題だと考えます。