マスター監視 Everywhere – Bridge Technologies VB288
エニータイム、エニーウェア、エニーデバイス、、、なんていうキャッチコピーがスマホ文化に合わせて出ています。
放送業界も漏れずに、TV everywhere、TV anywhereという提案が叫ばれています。
それはユーザー視聴環境だけに留まらず番組制作にも及ぼし、ノートパソコンでどこでも作業できるというソリューション提案が各メーカー仕様に当然のように盛り込まれています。
また放送を送出するシステム側の設備もほとんどサーバーやパソコンなので、外部からのリモートで作業できるものばかりです。
ただ、送出システムから出力される映像を監視する “マスター監視業務” に至っては、送出設備と同じ施設内に居ないとダメ!と何の疑問も持たないところでした。…が、その辺りを提案している製品があります。
Bridge Technologies VB288
Objective QoEと呼ばれているこの製品、ネットワーク/インターネット経由でビデオウォールを表示してマルチチャンネル映像監視ができます。
クライアント側はブラウザで見ることになるので、“どこでも見れる”ことを謳っています。紹介ビデオではChromeで見ているようです。
黒味、無音、フリーズ、ラウドネスといったアラーム検出もあるので、目視だけで判断できないエラー検出機能も備わっています。
ふむふむ、という感じですが、この製品の意味するところはなんでしょう。
確かに今年のNAB2014でも4Kと並びVideo/Audio over IPの製品たちが多くありました。
映像音声信号のIP化がもたらすものは、既存の放送設備を完全にICT化することが可能になる、というメッセージなのだと思います。
つまり、クラウド/データセンターでも放送設備を構築できるという裏付けが徐々に進行している、ということです。
もちろん、、“できる” と “実際にやる” の間には相当なカベがありますし、良いか悪いかの検討も状況によりけりです。
ですがもし、データセンターで送出マスターが構築できれば初期費用は極端に抑えることが可能です。
データセンターは電源、空調、耐震などが完璧にそろったマンスリーマンションみたいなものですから。なんなら北海道と沖縄で現用/予備を持つこともできます。
で、送出設備には常駐スタッフが居ないことになります。そうなるとこのVB288の魅力が発揮されるわけです。
現実にIT業界では在宅でのリモートメンテナンスってありがちです。
放送技術業界で、在宅マスター監視業務する時代、、来ますかね?