マルチアングルカメラ配信 ― PESA Xstream
“未来のテレビ”カテゴリに入りそうなマルチアングル放送ですが、そういったチャレンジは多チャンネル事業者が10年以上前に行った経緯があります。
それは複数のチャンネル帯域を使用して“ザッピング”といった形で行われていました。
多チャンネルがまだまだ浸透してない頃のチャレンジは、今考えると目を見張るものがあったと思います。
マルチアングル視聴の視聴者欲求は、スポーツで言えば一人の選手を追い続けるカメラを見るとか、ライブコンサートでドラマーをずっと見ていたいってことがあると思います。
そういう要求をさらっとできそうな製品を紹介します。
まずビデオを見てもらえると、“あーそういうこと”ってわかってもらえると思います。
やっぱりIPストリームになりますが、それでもマルチアングルでの配信プレゼンテーションが出来ています。
一見、4つの映像を別々に取り扱っているように見えますが、実際は4画面を一つのストリームにして、アプリ側で4つ角の映像を拡大しているものになります。
まずハードウェアを見てましょう。
基本的にはライブ配信を行うための機器になります。なので、簡易的にいうとH.264エンコーダーとなります。
配信プロトコルはRTP/RTSPです。なので直接YoutubeライブやUstreamには配信できませんが、専用アプリを使用した視聴が特徴なので仕方ないですね。
主な仕様
コーデック:H.264
ストリーム出力解像度:720p / 1080p
ビットレート:0.5M/ 0.75M/ 1M/ 2M/ 4Mbps
ビデオ入力: SDI x 5/ IPカメラ
ビデオ出力: HDMI x 1 / HDMIモニター用4画面 x1
SDI入力があるので、放送現場での利用は簡単です。各ポジションカメラ出力を入れるだけでOKです。
制御はブラウザGUIで行うので、特別な操作はなさそうです。
ちなみに4画面ストリームのテストをしている動画があったので載せておきます。
で、肝心なのはマルチアングルアプリです。実際にマルチアングル視聴を実現させるのはアプリ側なので、その扱いが気になるところですが、、
現在無料アプリ的なものは公開されてなさそうです。API的なものは公開してくれそうですが、どちらにしてもオリジナルアプリの開発は必要になりそうです。
まとめ
テレビ放送に直結して使用するものでは無いですが、セカンドスクリーン等の取り組みの中で使用すれば、付加価値を上げるものとして活躍しそうです。
ただ考えてみると、4分割や16分割にする放送機器はいくらでもあるので、それを一つのストリームにして、アプリ側でマルチアングル視聴をできるようにすれば、、、なんかできちゃいそうですよね。どうせセカンドスクリーン用にアプリ開発が必要になる訳ですし。
となると、、、、
そもそもテレビの視聴自体をデータ放送画面にすれば出来てしまいそうですね。そもそもの放送波を4分割映像として送り、データ放送画面内で4角映像を選択できるようにしてしまえば。。
HD4分割の一つの映像に合わせて拡大すると解像度が荒くなってしまうので、4K時代には可能かもしれません。だとすれば4Kを必要ない!っていう人へのアプローチにはなりそうです。
…少々横道に逸れましたが、今後少数派なリクエストにも細やかに対応することが求められたときには、こういった検討が必要になってくると思われます。