今どきのライブ中継制作用ビデオサーバー運用 – EVS C-Cast
今年で20周年のEVS、スロー再生で誰もが認めるビデオサーバーを開発しているメーカーです。
EVS XTシリーズは中継車での運用はもちろんのこと、スタジオでの撮って出し運用にも使われます。あと独特なリモコンLSMも有名ですね。
今回はそういったコア製品ではなく、今どきの制作体制としてピッタリのソリューションを紹介します。
EVS C-Cast
C-Castは制作中のビデオサーバーにクラウド/仲介サーバーを介してアクセスしマネージメントできる、という代物です。
例えば今までのスポーツ中継では、
・ビデオサーバーでマルチカメラを収録
・ビデオサーバーコントローラでクリップ編集
・クリップ単体もしくはクリップを繋げてハイライトにして、再生およびスロー再生し番組インサート
そういった一連のことを中継車内で行い、局には番組本線黒と白(CG無し)、ハイライト素材などを映像回線で送っていました。
局側でスタジオを開くことがあるにせよ、基本的に放送としては中継車の本線映像をずっと使うので、ハイライト素材は主に後番組のニュース用だったりします。
ただ、実際中継車のビデオサーバーで収録しているマルチアングル映像や編集したクリップのほとんどは日の目を見ることなく、翌日は全ファイル消去されることが多かったと思います。
“えっ、消しちゃうの?”と思うかもしれませんが、要は当日局側で中継車でスイッチングされた白映像の回線収録も同時に行っているので、中継車のビデオサーバー内ファイルはアーカイブしない運用だったのです。
カメラ毎に収録したものを保存してライブラリ化する事って、なかなかないと筆者は思います。
そういった現状から、ビデオサーバーである利点を追及するとC-Castのようなソリューションが“今どき”と思う理由になります。
確かに中継現場に行かなくても、局からマルチアングルの映像にアクセスできたらニュースサイドのスタッフには好都合と言えます。
C-Castのプレゼンテーションでは制作スタッフだけでなく、視聴者へのセカンドスクリーン用にも使えると謳っています。視聴者への付加価値では最上級なものになるのは間違いないです。
このC-Castは、XTシリーズやOpenCubeといったEVSサーバーとの組み合わせ想定なので、EVSサーバー持ってる人向けやこれから導入を検討する人向けです。
ですが、カメラにFTP機能が付いている時代なので、今後の中継制作体制には必要な考え方にはなると思います。